Digital Policy Textbooks
選書アドバイザー
これからの日本のデジタル政策を考えるうえで知恵と勇気を与えてくれる3冊。1でこれまでの歩みを確認し、2で世界の最先端を把握し、3で未来へつながる道を模索する。いずれの本も、変革なくして発展はなく、不確実性に対する解決策は相互理解であることを教えてくれる。
藍澤 志津デジタル政策フォーラム
AGENDA 02 /データ駆動社会の基本規律 副査
一般財団法人 マルチメディア振興センター ICTリサーチ&コンサルティング部 リサーチディレクター
1995年 財団法人国際通信経済研究所(現・マルチメディア振興センター)入所。以降、現在まで在職。諸外国のデジタル・情報通信分野の政策・市場の動向について、幅広く調査。著作に、Tanaka, E., & Aizawa, S. (2022). “Measures to Develop Human Resources with AI Skills in Japan: Society 5.0 and Investment in the Next Generation”, Policies and Challenges of the Broadband Ecosystem in Japan. Springer. 、『世界のAI戦略-各国が描く未来創造のビジョン』(第4章英国、第9章インド) 一般財団法人マルチメディア振興センター 編 明石書店 2020年3月(共著)など。
データ資本主義
近年のデジタル政策において、データという無形資産が社会経済システムの中核的存在になり、これが政治、経済、外交、行政(規制)など幅広い分野にどう影響を及ぼすのか様々な議論がある。こうした中、1はデータ駆動社会の重要性(金融資本主義からデータ資本主義への転換)というビジョンを示す。2はデータという無形資産が経済に与える影響について論じる。3はサイバー空間におけるデータ流通を裏打ちする信頼(トラスト)についての解説。データ駆動社会についての基本的視座を提供する3冊である。
生貝 直人デジタル政策フォーラム
AGENDA 05 /データ駆動社会を加速させるルール整備 主査
一橋大学大学院 法学研究科ビジネスロー専攻 教授
慶應義塾大学総合政策学部卒業、東京大学大学院学際情報学府博士課程修了。博士(社会情報学)。東京大学附属図書館新図書館計画推進室・大学院情報学環特任講師、株式会社情報通信総合研究所研究員、東洋大学経済学部総合政策学科准教授等を経て、2021年4月より一橋大学大学院 法学研究科ビジネスロー専攻准教授。2022年9月より現職。
データ資本主義
近年のデジタル政策において、データという無形資産が社会経済システムの中核的存在になり、これが政治、経済、外交、行政(規制)など幅広い分野にどう影響を及ぼすのか様々な議論がある。こうした中、1はデータ駆動社会の重要性(金融資本主義からデータ資本主義への転換)というビジョンを示す。2はデータという無形資産が経済に与える影響について論じる。3はサイバー空間におけるデータ流通を裏打ちする信頼(トラスト)についての解説。データ駆動社会についての基本的視座を提供する3冊である。
内山 隆デジタル政策フォーラム
AGENDA 04 /データ駆動社会における融合型コンテンツ流通 主査
青山学院大学 総合文化政策学部 総合文化政策学科 教授
青山学院大学 総合文化政策学部 教授。専門は「映像コンテンツ産業の経営戦略と政府経済政策」。特定非営利活動法人映像産業振興機構理事、(一社)日本民間放送連盟客員研究員、総務省情報通信政策研究所特別研究員、(一財)放送番組国際交流センター理事、(一財)デジタルコンテンツ協会理事、(公財)情報通信学会 会長、公益事業学会理事、映画倫理機構 次世代への映画推薦委員会委員、を兼任。
データ資本主義
近年のデジタル政策において、データという無形資産が社会経済システムの中核的存在になり、これが政治、経済、外交、行政(規制)など幅広い分野にどう影響を及ぼすのか様々な議論がある。こうした中、1はデータ駆動社会の重要性(金融資本主義からデータ資本主義への転換)というビジョンを示す。2はデータという無形資産が経済に与える影響について論じる。3はサイバー空間におけるデータ流通を裏打ちする信頼(トラスト)についての解説。データ駆動社会についての基本的視座を提供する3冊である。
神薗 雅紀デジタル政策フォーラム
AGENDA 07 /デジタル社会におけるサイバーセキュリティの確保 主査
デロイトトーマツサイバー合同会社 サイバーセキュリティ先端研究所 所長
デロイト トーマツ サイバー合同会社所属。大学時代に国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)と共同研究に従事。2005年より大手ITメーカーにてインフラ専門SEとして、大規模システムの提案から設計・構築・運用に至るまで経験。
2009年よりセキュリティ専門会社に入社し、サイバーセキュリティに関する製品開発や多数の大規模国家プロジェクトの研究員およびプロジェクトマネージャーを担当。同時に、緊急時のインシデントレスポンス対応も行う。また、国内外のセキュリティカンファレンスにて広く研究発表も行う。
2015年より研究所を率いて新たなコア技術の研究開発や、サイバー攻撃の分析に従事。開発したソリューションのデリバリーや緊急時のインシデントレスポンス、インシデント検証委員なども担当。総務大臣奨励賞を受賞。
データ資本主義
近年のデジタル政策において、データという無形資産が社会経済システムの中核的存在になり、これが政治、経済、外交、行政(規制)など幅広い分野にどう影響を及ぼすのか様々な議論がある。こうした中、1はデータ駆動社会の重要性(金融資本主義からデータ資本主義への転換)というビジョンを示す。2はデータという無形資産が経済に与える影響について論じる。3はサイバー空間におけるデータ流通を裏打ちする信頼(トラスト)についての解説。データ駆動社会についての基本的視座を提供する3冊である。
菊池 尚人デジタル政策フォーラム理事
慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科 特任教授
1969年生。専門はデジタル政策、コンテンツ政策。
慶應義塾大学経済学部卒業後、郵政省(現総務省)に入省。情報通信分野の研究開発行政や規制緩和に従事。フランス・パリ高等商科大学にてヨーロッパ各国の通信・放送融合などを調査。現在、慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科特任教授のほか、デジタル政策フォーラムの事務局を務める。あわせて、一般社団法人CiP協議会専務理事、公益財団法人情報通信学会常務理事、国際公共経済学会理事などを務める。
データ資本主義
近年のデジタル政策において、データという無形資産が社会経済システムの中核的存在になり、これが政治、経済、外交、行政(規制)など幅広い分野にどう影響を及ぼすのか様々な議論がある。こうした中、1はデータ駆動社会の重要性(金融資本主義からデータ資本主義への転換)というビジョンを示す。2はデータという無形資産が経済に与える影響について論じる。3はサイバー空間におけるデータ流通を裏打ちする信頼(トラスト)についての解説。データ駆動社会についての基本的視座を提供する3冊である。
喜連川 優デジタル政策フォーラム発起人
大学共同利用機関法人 情報・システム研究機構 機構長・東京大学特別教授
1983年東京大学大学院工学系研究科情報工学専攻博士課程修了。データ工学の研究に従事。東京大学地球観測データ統融合連携研究機構長(2010-2013年)、国立情報学研究所所長(2013-2022年)などを経て、2023年より情報・システム研究機構 機構長。また2021年より東京大学特別教授、2023年より東大デジタルオブザーバトリ研究推進機構長。情報処理学会会長(2013-2014年)、日本学術会議情報学委員会委員長(2014-2016年)などを務める。ACM SIGMODエドガー・F・コッド革新賞(2009年)、情報処理学会功績賞(2010年)、全国発明表彰「21世紀発明賞」(2015年)、C&C賞(2015年)、IEEE Innovation in Societal Infrastructure Award(2020年)、電子情報通信学会功績賞(2019年)、日本学士院賞(2020年)などを受賞。紫綬褒章(2013年)、レジオン・ドヌール勲章(2016年)を受章。ACMフェロー、IEEEライフフェロー、中国コンピュータ学会栄誉会員、電子情報通信学会名誉員、情報処理学会名誉会員。
技術と文明
世界はシステムで動く : いま起きていることの本質をつかむ考え方
負債論 : 貨幣と暴力の5000年
技術も社会もめまぐるしく変化する中でより正確に未来を見通すためにも、より本質的なところで世界を形作っている要因を見極める必要があると考えている。それは大きな歴史の流れの中で現在や未来を見ることでもある。今あるものがどうして今ある形をとっているのか、そしてそれがどんな変化にさらされているから形を変えようとしているかを、そんなに簡単には変わらないモデルを通じて分析することで未来を見通していきたい。その意味で(1)Mumford(1934)は百年前に人類の長い歴史の中で、技術に科学が取り込まれることで大きな変化が起こった過程を詳細に記述している。そしてその本質をabstractionであると喝破しているのを理解すると今日の変化もその大きな潮流の一環であることが分かる。(2)Meadows(2008)はシステムダイナミクスの考え方を平易に解説することで、技術だけでなく社会システムまで含む「世界」をシステムとして記述し、理解することの有効性を理解させてくれる。AIなどを社会に役立てていくためには、技術を理解するだけでなく、その社会的な意味を理解しなければならない中で必読の書だろう。(3)Graeber, D. (2012)はこれから起こる変化が今日の資本主義社会の姿を根本的に変えるものとなることを予感させてくれる書だ。今日われわれが当たり前と思っている市場経済がいかに5000年の人類の歴史の中では例外的なものであるかを相対化して見せてくれている。革命的な変化の時代には思い込みの殻を破って新しい時代の姿を構想しなければならない。
國領 二郎AGENDA 06/ 分散型事業モデルのもたらすインパクト 主査
慶應義塾大学総合政策学部教授
1982年東京大学経済学部卒。日本電信電話公社入社。92年ハーバード・ビジネ ス・スクール経営学博士。93年慶應義塾大学大学院経営管理研究科助教授。 2000年同教授。2003年同大学環境情報学部教授などを経て、09年総合政策学 部長。2005年から2009年までSFC研究所長も務める。2013年より慶應義塾常任理事に就任(2021年5月27日任期満了)。 主な著書に「オープン・アーキテ クチャ戦略」(ダイヤモンド社、1999)、 「ソーシャルな資本主義」(日本経済新聞社、2013年)、「サイバー文明論」(日本経済新聞出版、2022年)がある。
1は、デジタル空間(電脳空間)の表象に多大な影響を与え、既に古典となっているとともに、法執行のあり方を含めていまなお私たちのイマジネーションを喚起してくれる。2はデジタル社会を規律する法体系が未整備な中で、若手の法学者が分野横断的に、2018年当時の裁判例を基礎にしたアプローチを試みたもので、2024年現在までの法整備と判例の展開との差分が、そのままデジタル政策と法の関係を示すと思う。3はそのデジタル政策や立法過程のあり方を、海外プラットフォーム事業者の公共政策の目線から描いた一冊。
宍戸 常寿デジタル政策フォーラム
AGENDA 02 /データ駆動社会の基本規律 主査
東京大学大学院 法学政治学研究科 教授
東京大学法学部卒業(学士(法学))。東京大学法学部助手、東京都立大学法学部助教授、一橋大学大学院法学研究科准教授を経て、2010年4月より東京大学大学院法学政治学研究科准教授、2013年10月より同教授(現職)、2024年4月より東京大学法科大学院長。国立情報学研究所客員教授。
The Black Box Society : The Secret Algorithms That Control Money and Information
Hacking Darwin : Genetic Engineering and the Future of Humanity
テクノロジーの進歩がもたらす諸問題を考えるうえでヒントを与えてくれる3冊を選んだ。
1はクレジットカード会社やインターネット企業が詳細なユーザーのデータをもとにさまざまな経営判断を行う一方で、ユーザーが何も知らされていない非対称性の問題を指摘した書。昨今注目を集めるAI規制議論にもつながる視点。
2は「テクノ・ソーシャル・エンジニアリング」の問題が21世紀における重要な課題になると指摘する書。環境がスマート化すると人間は、AIのお勧めを承認するだけの単純な存在に成り下がってしまう危険性があると警告している。
ヒトゲノム解析の進展や遺伝子編集技術の進歩により、遺伝情報は、読解及び書き換え可能なものになりつつある。3は人間もまたITシステムとしてとらえられる時代に向けて議論を始めるべきだと指摘している。
清水 憲人デジタル政策フォーラム
AGENDA 03 /データ駆動社会における競争枠組み 副査
株式会社 情報通信総合研究所 主任研究員
1989年NTT入社。1997年㈱情報通信総合研究所出向。2016年から同社法制度研究部。米国を中心に情報通信分野に関する政策・規制、事業者動向等をウォッチ。
データ資本主義
近年のデジタル政策において、データという無形資産が社会経済システムの中核的存在になり、これが政治、経済、外交、行政(規制)など幅広い分野にどう影響を及ぼすのか様々な議論がある。こうした中、1はデータ駆動社会の重要性(金融資本主義からデータ資本主義への転換)というビジョンを示す。2はデータという無形資産が経済に与える影響について論じる。3はサイバー空間におけるデータ流通を裏打ちする信頼(トラスト)についての解説。データ駆動社会についての基本的視座を提供する3冊である。
庄司 昌彦デジタル政策フォーラム
AGENDA 01 /データ駆動社会の具体像 主査
武蔵大学社会学部メディア研究科 教授
1976年生まれ。中央大学大学院総合政策研究科博士前期課程修了、修士(総合政策)。専門は情報社会学、情報通信政策。2002年~国際大学GLOCOM研究員、2019年~武蔵大学社会学部教授、2023年~武蔵学園データサイエンス研究所副所長。デジタル庁オープンデータ伝道師、総務省「自治体システム等標準化検討会」座長、総務省「地方自治体のデジタルトランスフォーメーション推進に係る検討会」座長、総務省地域情報化アドバイザー(リーダー)なども務めている。
データ資本主義
近年のデジタル政策において、データという無形資産が社会経済システムの中核的存在になり、これが政治、経済、外交、行政(規制)など幅広い分野にどう影響を及ぼすのか様々な議論がある。こうした中、1はデータ駆動社会の重要性(金融資本主義からデータ資本主義への転換)というビジョンを示す。2はデータという無形資産が経済に与える影響について論じる。3はサイバー空間におけるデータ流通を裏打ちする信頼(トラスト)についての解説。データ駆動社会についての基本的視座を提供する3冊である。
須藤 修デジタル政策フォーラム発起人
中央大学ELSIセンター所長・中央大学国際情報学部 教授・東京大学名誉教授
東京大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学、経済学博士。静岡大学助教授、東京大学助教授などを経て、1999年4月より2020年3月まで東京大学教授。この間、東京大学大学院情報学環長・学際情報学府長、東京大学総合教育研究センター長を歴任。また、Stockholm School of Economics客員教授、参議院商工委員会客員調査員、筑波大学先端学際領域研究センター客員研究員、NTTサービスインテグレーション基盤研究所リサーチ・プロフェッサー、日本経団連21世紀政策研究所主幹研究員、国立情報学研究所客員教授、一般社団法人次世代放送推進フォーラム理事長、Member of the OECD Global Science Forum Expert Group 、Member of AI expert Group at the OECD (AIGO)などを歴任。
データ資本主義
近年のデジタル政策において、データという無形資産が社会経済システムの中核的存在になり、これが政治、経済、外交、行政(規制)など幅広い分野にどう影響を及ぼすのか様々な議論がある。こうした中、1はデータ駆動社会の重要性(金融資本主義からデータ資本主義への転換)というビジョンを示す。2はデータという無形資産が経済に与える影響について論じる。3はサイバー空間におけるデータ流通を裏打ちする信頼(トラスト)についての解説。データ駆動社会についての基本的視座を提供する3冊である。
谷脇 康彦デジタル政策フォーラム代表幹事
デジタル政策フォーラム代表幹事
インターネットイニシアティブ(IIJ) 取締役副社長執行役員
1984年郵政省(現総務省)入省。内閣審議官・内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)副センター長、総務省情報通信国際戦略局長、政策統括官(情報セキュリティ担当)、総合通信基盤局長、総務審議官などを経て2021年総務省退官。2022年よりインターネットイニシアティブ取締役副社長。慶応義塾大学院メディアデザイン研究科特別招聘教授(非常勤)。著書に、「教養としてのインターネット論」(2023年、日経BP)、「サイバーセキュリティ」(2018年、岩波新書)、「ミッシングリンク」(2012年、東洋経済新報社)、「インターネットは誰のものか」(2007年、日経BP)など。
データ資本主義
近年のデジタル政策において、データという無形資産が社会経済システムの中核的存在になり、これが政治、経済、外交、行政(規制)など幅広い分野にどう影響を及ぼすのか様々な議論がある。こうした中、1はデータ駆動社会の重要性(金融資本主義からデータ資本主義への転換)というビジョンを示す。2はデータという無形資産が経済に与える影響について論じる。3はサイバー空間におけるデータ流通を裏打ちする信頼(トラスト)についての解説。データ駆動社会についての基本的視座を提供する3冊である。
徳田 英幸デジタル政策フォーラム発起人
国立研究開発法人情報通信研究機構理事長、慶應義塾大学名誉教授
慶應義塾大学工学部卒。同大学院工学研究科修士。ウォータールー大学計算機科学科博士(Ph.D. in Computer Science)。1983年、米国カーネギーメロン大学計算機科学科に勤務、研究准教授を経て、1996年より、慶應義塾大学環境情報学部 教授。慶應義塾常任理事、環境情報学部長、大学院政策・メディア研究科委員長などを経て、2017年から現職。主に、ユビキタスコンピューティングシステム、オペレーティングシステム、分散システム、IoT、サイバー・フィジカルシステム、センサネットワークなどに関する研究に従事。慶應義塾大学名誉教授、情報処理学会フェロー、日本ソフトウェア科学会フェロー、日本工学会フェロー。情報処理学会会長、学術会議情報学委員会委員長、Beyond 5G推進コンソーシアム副会長、IEEE東京支部チェアなどを務める。
デジタルは全てを塗り替える。AIはさらに上書きする。1は資本主義が変容し、データ主導・知識生産性社会となることを説く。「機械との競争」の続編である
2は、デジタルとAIがもたらす地殻変動を読み解く。共にGDPに代表される生産者主義から消費者余剰に軸を置く。3はその影響を真っ先に受ける産業・社会・文化としてのコンテンツとメディアを縦横に記す。いずれも刺激的。
中村 伊知哉デジタル政策財団理事長
デジタル政策フォーラム 理事長
iU 学長
京都大学特任教授、東京大学研究員、慶應義塾大学特別招聘教授、デジタル政策財団理事長、CiP協議会理事長、国際公共経済学会会長、日本eスポーツ連合特別顧問、大阪・関西万博2025 事業化支援PTプロジェクトリーダー、理化学研究所コーディネーターなどを兼務。1984年、ロックバンド「少年ナイフ」のディレクターを経て郵政省入省。MITメディアラボ客員教授、スタンフォード日本センター研究所長、慶應義塾大学教授を経て、2020年4月よりiU学長。内閣官房、内閣府、総務省、文部科学省、経済産業省などの参与・委員を歴任。著書に『新版 超ヒマ社会をつくるーアフターコロナはネコの時代―』(ヨシモトブックス)、『コンテンツと国家戦略』(角川EPUB選書)など多数。1961年生まれ。京都大学経済学部卒、大阪大学博士課程単位取得退学。博士(政策・メディア)。
監視資本主義:人類の未来を賭けた闘い
ブリュッセル効果 EUの覇権戦略:いかに世界を支配しているのか
デジタル社会では、AIの濫用・悪用は世界にいかなる脅威をもたらすのか。これに対し、近時の議論は微視的な観点から個人情報・プライバシーといった問題に集中しがちである。しかし、1で提示されているように、まずそれによる国家・社会の構造への影響をより巨視的に捉える必要があるだろう。そして、AIやデジタルプラットフォームなどデジタル時代の課題に対応する動きが世界的に広がりつつあるが、そのルール形成への影響力を強く発揮しているのは欧州連合であり、2を読んでその背景や経緯を理解することは、その対応策ひいては今後の規制のあり方を考えるための第一歩と考える。これらの基本認識を得た上で、3を手にして各分野のAI実装によるメリット・デメリットを知るのが有益である。
林 秀弥デジタル政策フォーラム
AGENDA 03 /データ駆動社会における競争枠組み 主査
名古屋大学大学院法学研究科教授
2002年京都大学大学院法学研究科単位取得認定退学。京都大学博士(法学)。総務省・電波監理審議会委員・情報通信学審議会専門委員等を務める。専門分野は、競争法、情報法、公益事業法。主要著作として、『企業結合規制』(商事法務、2011)、『オーラルヒストリー電気通信事業法』(共著、勁草書房、2015)、『独占禁止法審判決の経済学』(共編著、東京大学出版会、2017)、『Digitalization and Competition Policy in Japan』(共著、Springer Pub., 2024)など。
この先のデジタル政策について様々に検討していくにあたって、
1. 現代の行政についての諸課題を把握することは重要であるが、行政学的視座から網羅的に把握するのに資する名著である。2. 通信のベースインフラの現況は、この記事を目にする方であれば承知されているだろうが、5年前に慧眼の識者がどのように考えていたのかを踏まえ、Beyond 5G/6Gに思いをはせてみてはいかがか。 3. AIも避けては通れない。AIがもたらすメリットを最大化するために何を考えておくべきかが簡潔にまとめられている。
村上 陽亮デジタル政策フォーラム
AGENDA 03 /データ駆動社会における競争枠組み 副査
KDDI総合研究所 シンクタンク部門長
1998年東京大学法学部卒。国際電信電話入社。2022年よりKDDI総合研究所シンクタンク部門長。通信関係の市場・政策・制度を対象に研究に従事。
データセキュリティ法の迷走: 情報漏洩はなぜなくならないのか?
1は「個人」が社会の中で持つ多様な役割や自我に着目し、個人をさらに細分化した「分人」という概念を定義することで独自に「プライバシー」を捉えた、ある種原点のひとつともいえる考え方を提示するもの。2は「パーソナルデータ(個人データ)」の重要性が増すなかで多くのデータセキュリティに関する合理的な制度やガイドラインが作られながらも漏えいが続いている現実とその原因を数多く例示しながら、「完全ではない生身の人間」を踏まえたルール策定のヒントを提案する、大家二人の共著。また個人情報とセキュリティの専門家である小向太郎氏が監訳。3は、生成AI等のデジタル技術が急速に進化する今、文明・社会・経済・制度等にどのような変化をもたらすのか、そのような変化に我々はどう向き合うのか。12名の有識者との対話をベースにしたデジタル政策を巡る最新の論点集。
デジタル政策フォーラム事務局
デジタル政策をテーマとする熟議プラットフォーム